司会:ありがとうございました。それでは早速ですが、審査委員の先生方、ご質問ください。

太田:太田です。今のムービーですが、CGじゃなくて模型なの?

久保:模型で、光源は人工光源です。

太田:人工の光点で、ガラスを使っているのですか?

久保:模型はアクリルです。

太田:なるほど、アクリルでやっているのですね。ガラスの場合、光を上手く拾ってくることが出来るかが重要なのですが、これはガラスを使ってやらないと分からないことだと思います。それは、ガラスの内部だと、反射する訳だからですよね。

久保:はい。

太田:その時光ファイバーの様に、光が出ないように導く必要がある訳ですよね。この場合高透過ガラスがいいような気もしますが、ガラスの膜の特性はどの方向がいいと感じていますか?

久保:まず、高透過ガラスがいいのか普通のガラスがいいのか、という話ですが、反射率はあまり関係がなく、色の問題があります。やはり普通のガラスだと緑色が強く出てしまうので、光の色を変えないためには、高透過ガラスの方が向いているかなと考えています。また、光を2つに分けるために反射させるのですが、反射に関してはトップライトの角度が重要です。太陽の向きにガラスの左右を向けると、光とガラスが平行になるので、反射率が90%位まで急激に上がり、2方向に確実に分解されるのではないかと思っています。

大田:ありがとうございました。

平沼:冬至と夏至、それぞれ太陽の南中高度の平均的な関係性から、建物のこの大きな開口部の角度を決定し、それぞれの時間変化によってできる部屋の明るさを部屋の位置によってデザインされたのだと思っているのですが、それで合っていますか?

久保:はい。そのように考えています。

平沼:その場合まずは、この開口につけている断面方向につかうガラスは、何mm厚で何枚くらいを使用する予定ですか?

久保:15 mmのものを使おうと思っています。

平沼:15 mm厚を何枚くらい使用しますか?

久保:この計画でいくと、15 mmを60枚くらいです。

平沼:重量はいくらくらいになりますか?

久保:展示用のモックアップでは 90×180の梁でガラスを受けて、支えられる重量であることを計算で確かめています。

平沼:もう一度教えてください。ガラス塊という重量物が設置されることを前提に、その開口部の向きだけを見ていると不安定にも感じてしまうのですが、開口角度を決めた理由は、夏の暑いことも考えて日射の向きだけの話しだけですか?

久保:太陽とガラスが平行に近い方が、光が2方向に分解されやすいのですが、あまりガラスを寝かせ過ぎても時間帯によっては2方向に分解されなくなってしまうので、その点も考慮した結果、この角度が良いと思いました。

平沼:わかりました。ありがとうございます。

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