司会:ありがとうございました。続きまして私どもAAFについて田中より簡単に説明させていただきます。
AAF 田中:みなさまこんばんは。AAFの田中と申します。このたび私たちは、旭硝子様と連携させていただき、今回このような若手建築家への提案を募った設計競技を実現する運びとなりました。これまで過去3年間、大阪にて開催させていただきましたU-30建築展 30歳以下の若手建築家7組による建築の展覧会において、旭硝子様にご協力をいただいたことから、昨年よりガラスをテーマにした設計競技を開催していただくことになりました。
この企画は、主に実現化を目的にした提案型の設計競技です。実施コンペまでとはいかないものの、提案いただいた最優秀案及び提案作品を展覧会形式にて公表することで、実現化を目指したクライアントを募るような試みも含まれ、今日の最優秀案は、原寸での展示を可能にしたコンペとなります。どうぞ皆様、今日の審査結果から、実現化する来春の展示にもご期待ください。
あと、私たちAAFについても少しだけご紹介させてください。
AAFは主に建築や環境デザイン、アートなどを学ぶ大学生や院生が3年前に集まってできたNPO法人です。主な活動や今日のようなコンペの企画や協力をさせていただいたり、先ほどご紹介しました、独立したばかりの若い設計者「U-30」の展覧会を開催させていただいたり、大学生が開催地で小さな建築をつくるような地域滞在型のワークショップを開催させていただいたり、世界で活躍されている建築家をお招きしたレクチュアを開催させていただいたり、多様な取り組みを行い、発表し、建築や芸術分野をとおして社会環境への発展とつなげていきたいと考えています。今後もこのような楽しい企画を開催していきたいと思っていますので、これからも、どうぞよろしくお願いします。
司会:ありがとうございます。
続きまして、本日のプラグラムについてご説明させていただきます。この後、設計競技についてのご説明と、審査員の方々のご紹介をさせていただきます。その後発表者にプレゼンテーションを行っていただきます。プレゼン10分、質疑応答10分の1組、計20分を予定しております。プレゼン終了後、審査員の方々に公開審査をしていただきます。公開審査終了後、休憩をはさみまして、審査結果の発表と表彰式を行います。発表が終わりましたら、審査員の方々に一言ずつご講評をいただきたいと思っております。最後に主催者のご挨拶をいただきまして、20時までの審査会のプログラムを予定しております。
それではまず、設計競技についてご説明させていただきます。ガラスは、透明性をもつ硬質素材という特質により、温度や湿度、騒音などから人々を守る役割を果たしながら、内部空間に明るい光をもたらし、外部環境への視界をクリアに広げることができる、現代建築には欠かせない存在となっています。閉ざしながら透明性をもつ未来的な空間には、人々に清々しさや感動を与える力があります。この設計競技では、今後の活躍が期待される30歳以下の若手建築家7組から、ガラス素材の新しい使い方や表現の建築の提案を募りました。審査を経て選ばれた最優秀案は、ここAGC studioにて展覧会をおこなっていただきます。今回のテーマは「多様な光のあるガラス建築」です。提案条件といたしましては、構造はとくに限定いたしませんが、原則としてガラスの特性を新しく読み取った建築の提案を求めました。また、できるだけ現在の技術で実現可能な建築物の提案を求めました。最終展示は、提案作品の部分もしくは全体の模型を3?程度の大きさで、表現していただきます。1次審査では、図面、パース、模型写真などを中心に設計案を表現していただきました。これより、今回の指名設計者と、1次審査の応募案を簡単にご説明させていただきます。今回は、7組の30歳以下の建築家が、指名により参加をしております。まずはじめに、海法圭さん。1982年生まれ、現在は東京を拠点に活動されています。応募案は「t12の大気をもつ屋上庭園」です。ガラスの分光特性に注目した、屋上庭園を提案されました。続きまして、久保秀朗さん。1982年生まれ、現在は東京を拠点に活動されています。応募案は「Sun For Two」です。ガラスを組み合わせることによって光環境を変化させる提案をされました。続きまして、小松一平さん。1984年生まれ、現在は奈良を拠点に活動されています。応募案は「glass construction」。森の中にたたずむ、ガラスだけでできた建築を提案されました。続きまして、関野らんさん。現在は東京を拠点に活動されています。応募案は「GLASSCAPE」です。ガラスの種類による反射率の違いによって、変化する環境を提案されました。続きまして、能作文徳さん、能作淳平さん。現在は東京を拠点に活動されています。応募案は「水ガラスの家」です。水ガラスによって空間をつくる提案をされました。続きまして、増田信吾さん、大坪克亘さんです。現在は東京を拠点に活動されています。応募案は「天井のサンランプ」です。ガラスの屋根の、反射と透過による木漏れ日の空間を提案されました。最後に、米澤隆さん。1982年生まれ。現在は名古屋を拠点に活動されています。応募案は「Glass Pavilion」です。うろこ状のガラスに包まれたパビリオンを提案されました。以上、7組の中から、本日の最終審査では、1次審査を通過をいたしました上位3組の作品を、プレゼンテーション形式で行っていただきます。発表者には、応募作品の提案内容に基づき、模型や映像、スライドなどを利用した設計説明を行っていただきます。今回、1次審査を通過したのは、「久保秀朗さん」、「増田信吾さん、大坪克亘さん」、「米澤隆さん」の3組です。
続きまして、今回の審査員をご紹介させていただきます。まずはじめに、今回審査員長を務めていただきます、構造家の佐藤淳先生です。1970年愛知県生まれ。2000年に佐藤淳構造設計事務所を設立されました。建築家との協同により、数々の新たな現代建築を実現されており、2010年より東京大学で教鞭をとられています。続きまして、太田浩史先生。1968年東京都生まれ。2000年にデザイン・ヌーブを設立され、現在は東京大学で教鞭をとられております。続きまして、平沼孝啓先生。1971年大阪府生まれ。ロンドンのAA School ディプロマ在籍のため渡英後、1999年に平沼孝啓建築研究所を設立され、現在は大阪大学などで教鞭を執られております。最後になりましたが、主催の旭硝子株式会社様より、このAGC studioを所管されています、ガラスカンパニー・日本・アジア事業本部 市場開発室 室長の花澤晴由様に、審査員としてご参加いただきます。
本日は、以上の4名の方に厳正な審査を行っていただきます。 |