司会:たいへんお待たせいたしました。審査委員の先生が方の審議が終わりましたので、いよいよ発表に移らせていただきたいと思います。
それでは、早速ですが、優秀賞から発表させていただきます。1組目、優秀賞は、久保秀朗さんです。
おめでとうございます。
続きまして、2組目の優秀賞は…、増田信吾さん、大坪克亘さんです。おめでとうございます。

会場:(拍手)

司会:それでは最優秀賞を発表させていただきます。最優秀賞は、米澤隆さんです。おめでとうございます。

会場:(拍手)

司会:早速ですが、表彰式に移らせていただきます。
まずは久保様より表彰させていただきます。太田先生よろしくお願い致します。

太田:優秀賞、久保秀朗殿。あなたは30歳以下の若手建築家の7組指名による、ガラス建築の設計競技において、ガラス素材の新しい使い方を提示され、多様な光のある空間表現をし、優秀な成績をおさめられましたので、これを賞します。平成24年10月12日。 おめでとうございます。

(拍手)

司会:ありがとうございました。それでは太田先生一言、ご講評をお願い致します。

太田:はい。最初に見た時からとても綺麗な断面図で、すごく気に入ってる案です。これは多分明日にでもできる、と思うところが少しありました。明日からでもAGC studioに来て、どのように実現させれば良いのか、ご相談されるといいと思います。とても面白いテーマで勿体ないとは思うのですが、展示の条件を考えたりすると、お客様は通常五分程しか展示会場にいませんので、その間に光の変化を見せることはなかなか難しい。そうなると、光源を動かすところに、相当予算を食ってしまうのではないかと思いました。このような言い方がよいかわかりませんが、もっとふんだんに自然光が使われているところで展示を行った方がいい、もしくは実際の設計において活かす方がよく、実際の建築に使用していると、予想通りになる可能性があります。いろんな試行錯誤があるかもしれませんけれども、展示よりも、むしろもっとリアリスティックな雰囲気にしたほうが、その効果がわかるのではないかと思います。とてもいい提案ですので、これからAGCさんからいろいろなバックアップが受けられると考えて、優秀作としての実績をもって、AGCの皆さんと進めていただけたらいいな、と思いました。

司会:ありがとうございました。それでは続きまして、増田さん大坪さんの表彰をさせていただきます。平沼先生、よろしくお願い致します。

平沼:はい。優秀賞、増田信吾殿、大坪克亘殿、以下同文です。がんばりましたね、おめでとうございます。

(拍手)

司会:ありがとうございました。それでは平沼先生からも一言ご講評お願い致します。

平沼:はい。今回のテーマに対してきちんと答えていたのは、実はこの優秀賞を受賞されたお2人だった気がします。昨年からの引き続きのテーマとなった「多様な光のあるガラス建築」という提案は、実現可能な作品として、とても見てみたい建築空間でした。でも実現できる?「提案」どまりや「建築」が抜けていたのではないかな、と思わせられる部分がそれぞれのプレゼンテーションに顕著に出ていて、やはり、どちらかと言うと破綻していてもモックアップを持って来た米澤さんの方が、圧倒的な説得力があったように僕は感じています。また小さいモデルであっても、現物のものとしての存在を表してくれるのは、圧倒的に有利だな、とあらためて勉強をさせていただきました。やっぱり、ある1枚の提案書を提示してくれると、僕たち設計者の思考の中で勝手な想像をさせてもらうことが出来て、失敗をしているものでも、スタディをされた実験物を持ってきてもらえると、構造家の先生や建築家の先生、ガラスのプロフェッショナルな方が、こうすれば良いんじゃないかと提案を重ねてくださって、どんどん協力者になってくれる。そんな意味では、久保さんにしても、増田さん大坪さんにしても、少し損をしてしまったんじゃないかなと思います。1次審査では同じような得票数で、今日のプレゼンテーションでも、そもそも提案力の差があったわけでは決してなく、模型を持参し、視覚的にも見せてくれたことで、その微細な順位が付いてしまったのではないかと思っています。ただ先ほど、太田先生が良い事を言ってくださっていて、AGCの皆様は今日の提案をみなさんお聞きになられていて、今後、協力してくださることもありそうですから、今日の結果だけではなく、研究や実験を重ね、どうか実現化に向けて頑張って欲しいと思います。今日はどうもありがとうございました。

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